面接で失敗に次ぐ失敗の連続~私とアスペルガー~

私が面接を担当してきつかったことは、
学歴もキャリアもルックスもよく、「この人なら間違いない」と思って採用した人のうち、
かなりの割合で、アスペルガーと思われる人達が含まれていたことです。

ある年に現場リーダーとして採用した20代の男性スタッフが、
予想外に仕事ができないので、採用担当者として責任を問われ、
「いついつまでに独り立ちできるようにしてください」と、
期限を定めた約束をさせられてしまいました。

「はい」と言うしかなかったものの、当時は途方に暮れてしまいました。
彼とは働く場所が違うので、皆が言う「仕事ができない」の内容がよくわからず、
何度もスタッフに尋ねるのですが、誰もうまくそれを私に伝えられないんです。

上司に失礼なことを聞く、
頼んだことを全くやってくれない、
テプラやシール類の貼り方が毎回異常に曲がっている
引継ぎの説明が異様に長いが、一番肝心なことを言わないのであとでトラブルになる
誰がどう見ても妥当と思えることに対して、意味不明なダメ出しをする
人にものを頼むときに「これやってください」としか言わず、注意すべき重要事項があっても伝えない
などなど・・・

個別のエピソードは山のようにガンガン上がってくるのですが、
「〇〇な人」というくくり方を誰もできず、だから事例をひとつひとつ言ってくるしかないんですよね。
「だらしない人」なら、どのエピソードもそれに統合されるはずですし、
「短気な人」というなら、こんなことでこんな風に怒ったというエピソード、
「そそっかしい人」なら、話をよく聞かずに手順を間違えたり、先走りして失敗する話が多くなると思うのですが、
彼に関しては、どのエピソードも皆バラバラなので、
周囲の評価は、ひとまとめにすると「常識がない人」「仕事をなめている人」ということになります。
ですが、これでは、対処のしようがないですし、何が原因かもさっぱりわからない。

ただひとつ、感じたのは、これは何か精神系の疾患や資質ではないかと私が思ったことで、
それから私は依存症や心身症や、ウツや精神障害の本を片っ端から読み漁りました。
でも、どの本も、最後まで読むことはありませんでした。
どれも読んでいる途中で、「違う、これじゃない」と判断されたからです。

今は知名度も高くなった「アスペルガー」という言葉ですが、
当時(2000年代前半)は、まだ一般には知られておらず、
検索しようにも、一体どういった言葉で検索してよいのかさえ、まったくわかりませんでした。

ですが、やがて、ある新聞記事がきっかけで、
私は初めて「アスペルガー症候群」という言葉を知りました。
そして、「アスペルガー症候群」で改めて検索してみて、
ようやく、「これだ!」という情報にたどり着いたのです。

その経緯に関しては、別なブログに書いているのでここでは詳しく書きませんが、
次に私を苦しめたのは、面接と言う短い時間内で、それを見極めることができないということでした。
この問題は、常に私を悩ませました。
なぜなら、私はなぜか、アスペルガー傾向の男子に好感を持ってしまうタイプだったからです。
自分がちょっと話してみて、「いいな」と思う男性は、アスペっぽい人がなぜか多いんです。

結果的に、ある時期、私の採用面接は、ことごとく失敗して、
現場には非常に大きな迷惑をかけてしまいましたし、
私の「人を見る目」を疑問視するスタッフも大勢出てきて、自分の評価も落ちました。

そこで、いったいどうやったら見分けられるのか?ということを最重要命題として、
勉強に勉強を重ねてきたのが、前職での後半の6年間だったと思います。

話しが少しそれますが、
私は別のブログで自分の特徴や小さい頃の笑えるエピソードの数々を披露したら、
ある訪問者から「あなたはADHDではないか?」と言われたことがあります。
そのときは、そのコメントにムッとしましたが、落ち着いてからよく調べてみると、
「確かにその傾向はある」と、思いました。

私は小さいころから落ち着きがなく、整理整頓が苦手で、忘れ物が多いことから、
小学校の6年間は毎回のように、それを3点セットで通信簿に書かれました。
私が検索で見たサイトにも、そのようなことが書かれてあり、
思わず爆笑しながら、私は徐々に、その傾向がある自分を受け入れていくようになりました。

で、ね。

ここで私が言いたいのは、実はアスペルガーとADHDのカップルってすごく多いらしいんですよね。
もしかしたら、遺伝子的な理由があるのかもしれませんが、
どうやら、私は、アスペルガー的な人を好ましく思ってしまう資質みたいなのです。
アスペルガーとADHDのカップルが多いことについては、
沖縄の精神科医、やんばる先生もブログに書いていらっしゃいますし、
他にも参考サイトがあるので、以下にご紹介いたします。

AS-ADHDカップル (精神科医 やんばる先生の いみふめいなヒトビト より)
AS-ADHDカップル再① (精神科医 やんばる先生の いみふめいなヒトビト より)
アスペルガー症候群とADHDのカップルが意外に多い理由 (ADHD情報ブログ より)
アスペルガーとADHDのカップルが多い訳とは? (アスペルガー adhd カップル より)

そんなもんだから、普通のほかの人以上に、アスペルガーらぶな私にとって、
採用面接というのは、自分に自信が持てなくなり、自己価値を著しく低下させるイベントでもありました。
面接のたびに非常に不安だったし、早く、一発で見抜けるようになりたいと思って、必死に努力しました。
今思えば、あのぐらいの必死さと焦りと崖っぷち感を持って死に物狂いで受験に臨んでいたら、
落ちていた大学も受かったのではないかと思うぐらいです。

アスペルガーに関して、今は、「言葉をとことん字義通りに受け取る人達」という解釈をしています。
サイトなどを見ると、他にも色々説明がありますが、
障害という言葉を一切使わずに人に伝えるときには、自分がそれが一番伝えやすいです。

よく、空気が読めないと言いますが、要するに、その場に居合わせている人達の暗黙の総意や、
相手の言葉の意味合いや、その人が自分に今どうすることを望んでいるか、などをキャッチできないので、
意思伝達の情報は、すべて100%、言語に委ねられ、言葉に依存することになるわけですよね。

でも、私達は、「ちょっと!ここ、間違ったの誰よ?!」という疑問形を使った怒り方をしたり、
「それはやめたほうがいいと思うけど?」などという問いかけで制止の表現をしたりするので、
字義通りのアスペっ子君達は、単なる質問と捉えたり、意志を問われていると思って、
単に、それに回答するだけ(行動は起こさない)に終始するのは、納得がいきます。
これでは、指示は伝わらないし、こちらの言い分は曲解されるし、
とにかく齟齬が多い人達になってしまうと思うんですよね。

先ほど、調べ物をしていて、笑っちゃいけないけど笑えるエピソードを目にしました。

相手の言葉通りに受け取って夫婦ゲンカ」 (JジャストTVウォッチ より)
(削除されているときは、ウェブ魚拓(広告付)でどうぞ→ こちら )

真雄さんは「他人の気持ちを理解するのが苦手です。だから人とうまくいったことがないんです」と言う。夫婦間でも妻の気持ちを読むのが苦手で、妻が怒って「好きにしたら!」と言い放ったら、「賛成してくれてありがとう」と返事をして、とうとう大喧嘩になってしまったこともあると話す。

笑っちゃうよね。でも、そうそう、まさに!と思えるエピソードですね。

今は、人材育成の仕事をしている私ですが、社員に育成において、
こういった知識があるのとないのとでは大違いです。
精神論や、励まし、慰めに終始するのではなく、
相手の資質を見極め、相手に伝わる表現を工夫することで、
意思疎通が大幅に改善することを、多くの方に知って欲しいです。

 

 

 

 

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