入社時は上から50番目1年後の退社時は上から5番目のタイムカード

1997年10月。

すでに退職の固い意志を会社に告げ、
了解をもらっていた私は、
次の転職先をどうしようか、考えあぐねていました。

60人近い社員が全員女性だけの営業所。
所長とリーダーと経理の人を除くと、
実際に配達をするのは、
ジャスト50名、エリアも50区で、配達用の保冷車も50台。

前年の11月に入社したので、ほぼ1年になりましたが、
入社時にラックの一番下にあったタイムカードは、
その時には、上から5番目になっていました。

つまり、50人もいる営業・配達をする平社員の中で、
勤続1年の私より長い人は、
4人しかいない、ということになります。
どれだけ出入りの激しい会社か
おわかりいただけると思います。

「A社を1年で辞めた」というと、
何も知らない人は、長続きしなかった、と思うでしょう。

ですが答えはその逆で、
自分では、1年間もよくやってきたと思います。
あの会社で1年間勤め上げることができたということが、
実は今も、私の心の勲章なのです。

もしこのブログをお読みの皆さんが、
生協の宅配サービスをご利用の方なら、
どれほど短期間で担当者が変わっていくか、
よくご存知かもしれません。
(私がいたのは生協ではありませんが)

所長(女性)に退職を告げたときに、
「ピアさんは、来季からリーダー昇格が決まっていた」
と、言われました。そして当然ながら慰留されました。

けれど、普段は温厚で穏やかな私が、
いつになく、キッパリ、毅然と拒否できた理由は、
所長が言った「リーダー昇格が決まっていた」
というひとことにありました。

「冗談じゃない、私は絶対にああはなりたくない」

瞬時にそう思ったのです。

会社にも人にも、恨みや憎しみは全くないです。
ただ、ここでリーダーになるということが、
あんな風に他人に威圧的に接したり、
強いプレッシャーをかけることなのだとしたら、
私はそんな人間にはなりたくないし、
ここでリーダー職になっても、
それは自分にとって、全く価値のないこと。
むしろ逃げるなら今のうち、と思いました。

「まっぴらごめん」

この一言に尽きると思います。

所長は、そう言ったら、
私が思い直すとでも思ったのでしょうか?
答えは真逆なのにね。

所長は本当はいい人です。
女性ですが、すらりと長身で綺麗でスタイルもよく、
私から見ても、なかなかかっこいいと思います。

ですが、会社の本部が
所長に課している負荷も相当なものだと思うので、
本当は、一番辞めたいと思っているのは、
所長自身だったかもしれません。

所長はバツイチで、ご主人と離婚し、
ご自身の手で二人のお子さんを育てています。
今の給料と同じ収入が保証されなければ、
所長はこの会社から逃れることはできませんし、
むしろしがみついていかなければならないところが、
所長の必死さの源であり苦悩だったのかも。
夜の所長室で泣いているのを見たことありますしね。

でも、厳しくするだけでは、人は動かせないと思うんです。

その意味でも、この会社は人材がいない、と常々感じていたところが、
私の揺るがずブレない態度につながったのかもしれません。

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